シャペロンとはフランス語で、介添人(結婚式で花嫁の世話をする人)という意味です。
正常な酵素は細胞の中で小胞体からゴルジ体、そしてリソソームへ運ばれます。
ところが、変異した酵素は構造が不安定なためリソソームに運ばれる前に分解されてしまうので、リソソーム内でこの酵素で分解される糖脂質が体内に蓄積されます。その結果、さまざまなファブリー病の症状があらわれます。
薬理学的シャペロンは、介添人のような役割をして、不安定な酵素にくっついてその酵素を安定化させ、途中で分解されることなくリソソームへと導きます。そしてリソソームまで酵素が運ばれ、その酵素によって糖脂質は正常に分解されます。ケミカルシャペロンは、変異した酵素が本来のはたらきを行えるよう作用する治療法です。
現在、国から承認がおりているお薬は、1回1カプセルを1日おきに継続して服用するのみ薬です。
またこの薬に反応性のある遺伝子変異をもったファブリー病患者さんにしか効果がありません。
そのため、この治療を始める前に必ず遺伝子の変異型を調べ、効果があるかどうか確認する必要があります。